日本最古のおにぎりの起源と神秘

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日本最古のおにぎりの起源と神秘

2023.12.20

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おにぎりの起源と最古の化石

おにぎりは日本の食文化の象徴とも言える食べものです。
その起源をさかのぼると、石川県中能登町にある弥生時代の遺跡「杉谷チャノバタケ遺跡」で発見されたおにぎりの化石(炭化米)にたどりつきます。
さらに古い化石が将来発見されるかもしれませんが、現在のところは、これが最古のおにぎりの化石です。

この遺跡で発見されたおにぎりの化石は、もち米を蒸して固めて焼いたチマキに似たもので、実物は真っ黒に炭化しています。
大きさとしては、手のひらに乗るくらい。
形は、先端がとがった円錐型に近い二等辺三角形をしています。
時期としては約2000年前のもの。

昭和の終わりごろになされたこの発見は「日本最古のおにぎり」として大きな話題となりました。
このおにぎりの化石は遺跡の窓辺付近から見つかったことと、食べられた形跡がないことから、どうやら実際には食用ではなく、祭祀や厄よけなどの目的で作られた可能性が高いと考えられています。

おにぎりの化石とその意義

「杉谷チャノバタケ遺跡」のおにぎりの化石は、「日本人がいつからおにぎりを食べていたか」という問いに直接答えるものではありません。
というのは、1つには、将来もっと古いおにぎりの化石がどこかで発掘されるかもしれません。
もう1つは、当時のおにぎりは食用でなくお供え、つまり祭祀や厄よけが目的だった可能性があるからです。

昔の人々も今の私たちと同じようにご飯を握って食べていたのか、それともお供えにしていただけなのか…。
いずれにせよ、「おにぎりに化石がある」なんて、面白い話ですね。
おにぎりの歴史や文化をもっと知りたくなります。

日本人にとって身近なおにぎりですが、起源や変遷は意外と知られていません。
おにぎりの化石は、私たちに弥生時代の人々の暮らしや信仰を想像させる不思議な遺物です。

おにぎりの現代への影響と世界への波及

おにぎりといえば、1年ほど前の今時分のことでしたか…。
コロナの「鎖国」が緩み、インバウンドが解禁になりました。
そのことをTVのニュースでやっているのを見ていたら、さっそく来日したイタリアの若者が、空港から渋谷に直行し、渋谷のコンビニでおにぎりを買うという場面が取材されていました。

なぜ渋谷かはともかく、そのイタリア人の言うには、「日本に行ったらまっさきにおにぎりを買って食べたいと、ずっと思っていた」などと、のたまうのです。
ついに手にしたコンビニおにぎりを前に感極まっていました。

コンビニにおにぎりが置かれていることを、その方は来日前から知っていました。
旅行計画に「コンビニでおにぎりを買う」が最初から含まれていたのです。
コンビニおにぎりを食べるためにわざわざ渡航して日本にやってくる…。
おにぎりのすごさを感じました。