お米の「合」、百万石の「石」

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お米の「合」、百万石の「石」

2023.11.24

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「石」

時代劇で耳にする「加賀百万石」「尾張六十万石」といった表現。
これは何を意味するのでしょうか。

「石」は、日本古来の体積の単位です。
米は日本の主食であり、税としても納められる主要な物資でしたが、そんな米の量を測る単位の1つが「石」です。

大人1人が1年間に必要とする米の量が1石とされています。
「加賀百万石」とは、加賀の国では、100万人の大人が1年間食べていける量の米が、毎年生産できるということになります。

「石(こく)」という単位は、昭和の途中までは使われていたようですが、今ではほとんど使われません。
海面に商業用の材木が浮かんでいたり、港の土場に同じく商業用の材木が積まれていたりしているのを見たことがある人もいるかと思いますが、材木の体積には「石」が今でも使われます。
「石」が使われる数少ない例の1つです。

「合」

自宅で炊飯するときは「石」ではなくもっぱら「合(ごう)」を使いますね。
1合は体積でおおよそ180cc。重さでは約150グラム。
お米1合で、だいたい2人分のご飯を炊くことができます。

「米1升」という言い方もしますね。
「升(しょう)」も体積をはかる単位で、「1升 = 10合」です。

ちなみに、「1升の入れもの(一升瓶など)に何粒の米が入るか」を数えた人が昔(江戸時代?)いたらしく、数えた結果は64,827粒だったそうです。
この数字をおぼえるのに「ムシヤフナ」という語呂合わせが使われています。

「石高」

歴史上、「石」という単位は、ただの計量単位以上の意味を持っていました。
特に戦国時代や江戸時代には、「石」数はその地域の大名や武将の権力を示す指標となっていました。
「石高(こくだか)」といいます。

石高は米の生産量を示し、ひいては

  • その地域の豊かさ
  • 藩主の力や影響力
    を示していました。
    高い石高を持つ地域は経済的も強力であり、したがって政治的にも重要な位置を占めることが多かったのです。

「石」という単位は、日本史や文化に深く関わってきたものであり、その歴史や意味を知ることは、日本人のアイデンティティを深めることにもつながるでしょう。